ベンチで涙した後輩を「カバーするのが僕の仕事」 新庄監督も感服した“エースの姿”

日本ハム・上沢直之【写真:町田利衣】
日本ハム・上沢直之【写真:町田利衣】

上沢直之は9回3安打2失点の力投で今季4勝目

■日本ハム 3ー2 巨人(交流戦・27日・札幌ドーム)

 日本ハムの上沢直之投手が27日、本拠地で行われた巨人戦で9回3安打2失点(自責0)の力投を見せ、今季4勝目を今季初完投で飾った。投球内容だけでなく、エースらしさを体現した123球に、新庄剛志監督も賛辞を惜しまなかった。

「素晴らしかったね、上沢くんが」。試合後の会見に現れたビッグボスは開口一番こう言った。そして「万波くんがミスした後に“大丈夫、俺に任せろよ”という風にね。チームワークの良さが出ていて、うれしかったですね」と続けると、うれしそうに目を細めた。

 上沢は初回から球が走っていた。先頭の丸を3球三振に仕留めるなど3者凡退。4回まではわずか1安打投球だった。しかし5回2死から小林に左翼線二塁打を浴び、続く中山にはファウルで粘られる。11球目、チェンジアップを右前に運ばれた。右翼手・万波はバックホームのためチャージ。しかしこの打球を後逸し、フェンス際まで転々とする間に中山までもの生還を許して同点とされた。万波は両膝に手を付き、ガックリとうなだれた。

 そんな後輩の姿を見た上沢は、ここからが強かった。テンポよく巨人打線を打ち取り、8回を投げ終わると9回の登板も志願した。直後に淺間の決勝弾が生まれると、最終回には今季最速の152キロをマーク。最後までマウンドを守り抜いた。

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