ベンチで涙した後輩を「カバーするのが僕の仕事」 新庄監督も感服した“エースの姿”

激闘のヤクルト3連戦を終え移動ゲーム、救援陣も救った

「万中(万波)の積極的なチャージってすごく大事なことだと思うし、あいつの肩に助けられたこともある。ああいう(走者を)殺しにいく姿勢は大事だと思う。ああいうミスを何とかカバーするのが僕の仕事。あの姿勢を忘れずに、どんどん前に来てほしいなと思います」

 試合後にベンチで涙を流した万波は、結果的にチームが勝利したことで、どれほど救われただろうか。6回以降、1人の走者も許さなかった上沢の気迫は、後輩を思う気持ちの表れでもあった。

 もう1つ、上沢には長い回を投げなくてはいけない理由があった。前カードのヤクルト戦(神宮)は2試合が延長戦の僅差の試合だった。初戦は6投手、2戦目と3戦目は5投手を費やした。新人守護神の北山は3連投中で、試合前に指揮官は、この日は僅差でも起用しない方針を明かしていた。

 激闘から一夜明けて東京から札幌への移動試合。「(前カードで)中継ぎがすごい頑張っていた。みんな今日移動ゲームで疲れていますし、しっかり仕事できてよかったです」と胸を張った上沢に、ビッグボスも「めちゃくちゃうれしい。その気持ちが上沢くんにあったと思う、休ませるんだっていう」と称えた。

 昨季12勝を挙げた投の大黒柱は、開幕から6戦勝ちなしの4連敗と“生みの苦しみ”を味わったが、これで自身4連勝。この日も上沢らしく、エースの役目を果たした。

(町田利衣 / Rie Machida)

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