2軍戦に“志願出場”した日も…1号サヨナラ弾の西武・栗山が語るプロ21年目の境地
「僕の立場は若手の手本となり、勝ちにつながるプレーをすること」
辻監督自身、41歳のシーズンまで現役を続けた。「僕にも経験があるが、1年1年壁にぶち当たり、体の変化(衰え)とともに、うまくいかないことが増え、若手も伸びてくる。その中で栗山は毎日必死に取り組み、苦しんでいた」と思いを寄せ、「こういう所で打ってくれて、ファンの方々にも栗山の価値をまざまざと知らしめた気がします」と話した。
28日の試合では、5試合ぶり先発出場。今季2度目のマルチヒットを3安打猛打賞で飾り、復調の兆しを見せた。栗山自身、“代打の神様”のように見られることはまだまだ本意でないだろう。しかし、「スタメンでも代打でも、しっかり結果を出すだけ」と言い、「(起用法に)こだわりがあるわけではなく、もう僕が与えられている立場というものは、どんな状況でも若手の手本となり、チームの勝ちにつながるプレーをすること。責任感を持ってそれを全うしようと思っています」と心境を吐露した。
フォア・ザ・チームの“権化”のような選手で、誰もが一目置くチームリーダー。“やんちゃ”とされる森なども栗山の前に出ると自然に背筋が伸びる──といわれる。サヨナラ弾でホームインした際もナインが手にしたペットボトルから水が振りかけられたが、“手荒い祝福”という感じではなかった。「水は掛けてきましたが、多少は遠慮というか配慮というか、そういうものは感じました」と笑った。既に功成り名を遂げた栗山だが、その一挙手一投足は実に味わい深い。