交流戦で4割超、不振の昨季キングが“確変”中 オリ指揮官「どんだけ誤算やねん」
杉本「自分ではあまり調子がいいとは思っていない」
■オリックス 3ー1 DeNA(交流戦・2日・横浜)
復活のノロシを上げた。打撃不振に悩んでいた“ラオウ”ことオリックス・杉本裕太郎外野手が1日に敵地・横浜スタジアムで行われたDeNA戦で「コトイチ(今年1番)」と自画自賛のバックスクリーン弾。翌2日の同カードでも左翼フェンス直撃の決勝二塁打をはじめ3安打の活躍で、チームを連勝に導いた。
2日の試合では、交流戦で無傷の7連勝を続けていたDeNA先発・浜口に対し、第1打席で左前打、第2打席で右前打を重ねた。1-1の同点で迎えた6回無死一、二塁の第3打席ではカウント3-0から内角高めの143キロ直球を叩き、左翼フェンス直撃の勝ち越し二塁打。「福也(先発の山崎福也)が頑張って投げていましたし、なんとか勝ち越しタイムリーになってくれて良かった」と胸をなでおろした。
昨季、プロ6年目・30歳にしてブレーク。4番に定着して32発で本塁打王を獲得し、打率も.301をマークした。ところが、相手にマークされた影響か今季は数字が上がらず、さらに新型コロナに感染し4月27日から戦線離脱。それでも5月14日に1軍復帰し、同24日に開幕した交流戦では2日現在、9試合でソフトバンク・牧原大に次ぐ12球団2位の打率.444(36打数16安打)と“確変”に入った。
杉本は「自分ではあまり調子がいいとは思っていない。1試合1試合必死にやっているだけで、打てなくても切り替えてやるしかない」と慎重だ。今季トータルでは打率.231、4本塁打。中嶋聡監督は「こっちとしては、どんだけ誤算やねんというところ」と冗談めかして言う。
オリックスの命運を握る大砲は「バットを振り過ぎてもダメだし、当てにいきすぎてもダメ。バランスを考えている」と試行錯誤しながら、理想の打撃を追い求めている。昨季覇者はパ・リーグ4位に低迷中だが、左太もも裏を痛めて離脱している吉田正尚外野手の1軍復帰も近い。ラオウの復調と合わせて中軸2人がそろえば、逆襲への態勢が整う。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)