DeNA森に見た“スターの資質” 三浦監督「思っていた通りの活躍をしてくれた」
開幕スタメンかなわずも「上がったときにレギュラーを獲る」
自身初の開幕1軍を目指してキャンプからアピール中だったが、右ハムストリングの肉離れと左足首の捻挫を同時に起こし、3月2日からリハビリ組に合流した。ずっと目標にしてきた「開幕スタメン」は絶望的に。それでも「怪我をしたのは自分が悪いので仕方ないって感じ」とすぐに気持ちを切り替えた。「(1軍に)上がったときにレギュラーを獲る。そこしか考えてなかったです」と照準を定め、リハビリに取り組んできた。
しかしなかなか思うようにいかない。ダッシュができるようになったのは5月10日頃で、2軍での実戦復帰は同17日までかかった。イースタン・リーグでも13試合に出場して、打率.250、0本塁打6打点1盗塁と本調子には遠かったが、「1軍の舞台を想像しながら打席に立ったり守備をしていました」とこの舞台を目指してきた。前日3日についに1軍に初昇格し、守備から途中出場。この日は打って走って存在感を示した。
「ファームではなかなかうまくいかなくて、どうしようかと思っていた」と言いつつ、1軍の舞台で結果を残してしまうのもスターの証か。この日の安打には「結果として安打が出たので安心している部分ですけど、内容的にも凡打でも悪くなかった。次につながる打席だったと思います」と手応えを口にした。
チームは5位に沈むが、まだ試合は多く残っている。昨年は44試合に出場とチャンスをもらったが打率.194とレギュラーをつかむことはできなかった。「昨年と同じようにならない自信があります。打って守れて走れてがレギュラーの条件だと思う。そこは意識して取り組んで、結果も出していきたい」。大きな瞳を輝かせる高卒3年目の20歳が、DeNAに新風を吹き込んだ。
(町田利衣 / Rie Machida)