思い起こす34年前の“ノーノー” 東海大札幌・渡部を見るスカウトが自身と重ねた過去

東海大札幌・渡部雄大【写真: 川村虎大】
東海大札幌・渡部雄大【写真: 川村虎大】

3年間でリーグ戦1勝→春に6勝を挙げる急成長、全国舞台でも快挙

 快挙にも気付かないくらい集中していた。7日に行われた全日本大学野球選手権、東海大札幌の左腕・渡部雄大投手(4年)は大会史上7人目のノーヒットノーランを達成した。試合後のインタビューを受けるまで「完封かと思っていた」と淡々と語る渡部を、自身と重ね合わせる1人のスカウトがいた。

 昨年までの3年間で札幌学生野球リーグわずか1勝だった男が、大仕事をやってのけた。今春のリーグ戦で6勝無敗、防御率1.10と圧倒的な成績を収めてチームに全国切符をもたらし、その勢いで神宮球場にやってきても環太平洋大打線を封じた。

 打者32人に対し138球を投げ、8奪三振。2011年の第60回大会で近大工学部・久保田高弘投手が名桜大を相手に記録して以来、11年ぶり7人目のノーヒットノーランを達成した。

 決め球になったのは、100キロ台のカーブ。東海大甲府高時代の恩師・村中秀人監督から教わったものだ。「(高校時代は)自分のものにできていなかったので。結果を出せて自信になった」と感謝する。

阪神スカウトを務める葛西稔氏も法大時代にこの大会で“ノーノ―”達成

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