大会新4戦連発は「まぐれではない」 “持ってる”東日本国際大・上崎にスカウト注目

大会新となる4戦連発を放った東日本国際大・上崎彰吾【写真:中戸川知世】
大会新となる4戦連発を放った東日本国際大・上崎彰吾【写真:中戸川知世】

チームは敗退も、打率.688、4本塁打11打点の大爆発

 偉大な選手たちの記録を、あっさり抜いた。11日に神宮球場で行われた全日本大学野球選手権大会準決勝で、東日本国際大の上崎彰吾外野手(4年)が今大会4本目となるソロ本塁打を放った。巨人・原辰徳監督(東海大)やロッテ・井口資仁監督(青学大)らが持つ記録(3本)を抜き、大会記録を更新した。

 記録更新に注目が集まる中で迎えた第1打席、2球目のスライダーにバットを合わせると、打球はあっという間に無人の右翼席へ。「打った瞬間いったと思いました」。手のひらの感覚を噛み締めながら、ゆっくりと歩き出した。今春のリーグ戦では0本塁打だった男が、大舞台でやってのけた。

「東京で結果を出す」と胸に誓って大会までの練習に取り組んできた。6日の静岡大戦で1本。7日の金沢学院大戦で2本目となる逆転3ランを放つと、9日の大商大との準々決勝でも3ラン。そしてこの日、新記録を樹立した。本塁打だけでなく、全4試合でマルチ安打を記録し、終わってみれば打率.688(16打数11安打)、4本塁打11打点の大活躍だった。藤木豊監督も「やりましたねぇ。大したもんです」と感服した様子だった。

 選手権での“大爆発”にスカウトも注目。視察した中日・八木智哉スカウトは「リーグ戦では1本も打っていない状況で、4戦連発はまぐれではない。大舞台で結果を出せるというのは、何か持っているものがある」と素質を評価した。

 上崎は「結果は出てうれしい」と語るも、チームが準決勝敗退に終わり、表情は晴れなかった。東日本国際大は、春季公式戦終了後に引退する4年生もいるが、上崎は継続予定。「強いチームを作り上げないといけない」。悔しさを糧に、秋の神宮へ戻ってくる。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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