難病克服し“日本一の主将”に 亜大20年ぶりV、チームを変えた田中幹也の覚悟

最高殊勲選手賞に輝いた亜大・田中幹也主将【写真:中戸川知世】
最高殊勲選手賞に輝いた亜大・田中幹也主将【写真:中戸川知世】

プロも注目する田中幹也が2安打3打点、安打もぎ取る好守も

 166センチ、64キロ。小さな体格でも、日本一のキャプテンになれることを証明した。亜大は12日、神宮球場で行われた全日本大学野球選手権大会決勝で上武大を7-1で下し、20年ぶり5度目となる優勝を決めた。「2番・遊撃」の田中幹也内野手(4年)が2安打3打点、守備では内野安打となりそうな打球を幾度もアウトにし、攻守で躍動した。

 得意の守備で、流れを持ってきた。両軍無得点の2回2死二塁、上武大・島村大樹内野手が放った打球は三遊間へ転がった。普通の遊撃手なら追いつくのが精一杯という当たりに飛びつくと、瞬く間に体を起こして一塁へ送球、アウトを奪った。「いつも青山(美夏人投手・4年)に助けてもらってばかりなので、今度は俺の番だと思って守りました」。東海大菅生高(西東京)時代から“忍者”と称される守備に球場がどよめいた。

 その直後の攻撃、今度はバットで魅せた。1死二、三塁から、低めの直球を左前へ。2者が生還すると一塁ベース上でガッツポーズし、喜びを爆発させた。4回にも、2死一塁から左中間への適時三塁打を放ちこの日3打点。最高殊勲選手賞にも輝き「人生で一番の仲間に出会えて、それで優勝できて最高にうれしい」と笑顔を見せた。生田勉監督が「いままで監督として預かった中で一番弱い」と評するチームが、20年ぶりの大学日本一に輝いた。

3年夏に発覚した難病を乗り越えて、日本一の主将に

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