楽天ファンの拍手「本当にうれしかった」 DeNA藤田が古巣に感じた「いい雰囲気」
4日の楽天戦で中前打を放ち「いいところを見せられて良かった」
横浜DeNAベイスターズの藤田一也内野手は今季、10年ぶりに復帰したチームでここまで26試合に出場して打率.250。主に代打の切り札として勝負強さを見せる。交流戦では、10シーズン所属した楽天との試合で安打を放ち、両球団のファンから大きな拍手を浴びた。古巣との対決で感じたことや、チームについて語った。【町田利衣】
6月4日、横浜スタジアム。8回1死一、二塁の好機で「代打・藤田」がコールされると、球場全体が沸いた。左翼席の楽天ファンも藤田タオルを掲げていた。結果は中前打。「イーグルスファン、ベイスターズファンに拍手、声援をいただいたので本当にうれしかったです。1本でも、いいところを見せられて良かったかな」と感慨に浸った。
カード初戦の3日、ラッキーセブンの際に楽天ファンが自身へのメッセージボードを出してくれているのをバックスクリーンのモニターで見ていた。同日は出番がなかったが、感謝、恩返しの思いを込めた一振り。それでも5日の第3戦は5回1死一、三塁の好機で一ゴロに倒れただけに「悔しい部分はある」と振り返ったのもまた、藤田らしかった。
1軍キャンプに参加していた2月中旬、左ふくらはぎの張りのためファームに合流した。3月の楽天とのオープン戦では1軍帯同は叶わず「怪我をしてからは“交流戦までには1軍に上がっておきたい”と思っていた」と1つの目標としてリハビリを続けてきた。そして4月12日に1軍復帰。ようやくかつてのチームメートと再会し「優勝争いの中で戦っている選手たちなので、凄くいい雰囲気だなと感じました」と振り返った。その人柄を表すかのように、藤田のもとには絶えず後輩たちが挨拶に訪れていた。