巨人・岡本和真に期待できる“上がり目”とは? 専門家が再開後のセ・リーグを展望

DeNAは「オースティンが復帰すれば上位チームの脅威に」

 一方、巨人は交流戦で8勝10敗、12球団中10位に終わりヤクルトとの差は大きく広がった。「交流戦では最低でも勝率5割を見込んでいたはずで、想定外だと思います。開幕直後に活躍していた若手投手が軒並み調子を落とし、菅野も発熱で先発回避(9日の西武戦)。頼りになる先発は戸郷だけという状態に陥りました」と野口氏は指摘。「今後は強力打線がさらに投手陣をカバーしていくしかないでしょう」と見る。

 その上で鍵を握るのは、やはり4番を張る岡本和だと言う。17本塁打、47打点はいずれもリーグトップ3入りしているが、打率は.241と低迷。野口氏は「これまでは相手のマークが岡本和に集中していました。そういう意味で、坂本が故障から1か月ぶりに復帰し5番に座ったことは、岡本和にとっても大きい」と上がり目を見込んでいる。

 阪神は交流戦2位(12勝6敗)で、セ・リーグ最下位から4位に急浮上。対照的に首位争いを演じていた広島は、交流戦最下位(5勝13敗)で大失速し、中日も交流戦7勝11敗の11位でセ・リーグ最下位に転落した。そんな中、野口氏が”台風の目”と指摘するのがDeNAだ。

 DeNAの現状は首位には12.5ゲーム差の5位だが、「(タイラー・)オースティン(外野手)が戻ってくれば、相手チームは物凄く嫌ですよ。DeNA自体がここから優勝するのは簡単ではないが、上位にとって大きな脅威になることは間違いない」と野口氏。オースティンは開幕直前に右肘の違和感を訴え、4月にクリーニング手術を受けたが、早ければ6月中にも1軍復帰の可能性があると見られている。4番の牧の成長が著しく、3冠王も夢ではない活躍をしているだけに、ここに昨季チームトップの28本塁打、74打点を稼いだ助っ人が復帰すれば、“セ界”に嵐を呼ぶかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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