リーグ戦再開初戦で見えた“明るい兆し” 不振だった鷹の主砲2人に見えた変化
柳田に見えた凡打の変化「打球がいい角度で上がり出している」
リーグ戦再開初戦での勝利。白星自体も大きな意味を持つが、それ以上に光明となりそうなのが、主砲2人の状態だ。柳田とグラシアル。柳田は19試合ぶりの本塁打、グラシアルは今季初の2打席連発とそれぞれ一発が飛び出したが、打撃全体の内容にも復調の気配が漂った。
柳田は第1打席で本塁打を放った後、第2打席は左飛、第3打席は右前安打、第4打席は中飛でこの日は4打数2安打。光を感じさせたのはこの2度の凡打。高々と舞い上がるフライだったが、藤本監督は「感じ的には良くなってきた。まだちょっとボールに近づいてるところはあるんですけど、打球がいい角度で上がり出している。あともう少しのタイミングだけじゃないかな」と見た。
この試合まで2本塁打だったグラシアルは、この日だけで同じ2発を放った。どちらも逆方向のライトに運ぶ本塁打で、特に2本目は打った瞬間に分かる完璧な当たりだった。「どちらかと言えば、広角に打てるタイプ。いい時のグラシアルっていうのは。もう少し引っ張ってホームランが出だしたら……。いや、今のままの方がいいのかな。本人も考えてボールを中に入れて打ってるという状態でもあるし、それで逆方向にホームラン打ってるんだからそっちの方がいいのかなと思います」と語った。
ヤクルトに3連敗し、9勝9敗に終わった交流戦。柳田は打率.226、0本塁打6打点と不振に陥っていた。グラシアルは打率こそ.286を残したが、チャンスの場面でなかなかあと1本が出ず、1本塁打7打点に終わった。中軸を打つ2人の不調が重なり、打線がなかなか繋がらずに苦しい戦いを強いられていた。4日間の中断期間を経ての再開初戦で2人に当たりが戻ったのはチームにとって大きい。楽天とは0.5ゲーム差。この1勝を、ここからの勢いに変えていきたい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)