新庄監督は嘆き「忘れてしまうんだな…」　ハムの痛恨逆転負けは“タッチの差”

同点の生還はボールを“待って”捕ることで防げた？

「二塁からの送球はね、（ボールの）勢いを利用して『ここで』捕ったらアウトなんだよね……」と指揮官。ボールを捕りに行くのではなく、来るのを待っていれば、突入してくる和田と重なるラインでタッチできたと言うのだ。キャンプから何度も練習してきたプレーを、ここ一番で出せなかった。「毎日練習していかないと、忘れてしまう」という言葉が重く響く。

　序盤からリードはしていたが、何とも言えない流れの悪さがあった。この試合、日本ハムの失策は4つに上った。3回、7回と三ゴロをはじいた野村を、指揮官は終盤、一塁に回した。「もっと攻めてのエラーならいい。エラーする前に俺が考えて、違うポジションを守らせる作戦も考えないと」。この日の野村のように、別のポジションで自信をつけさせてから本来期待するポジションに戻すという育成法も頭にある。

　守備には並々ならぬこだわりを見せる指揮官。9回に入る前には、先発では左翼だった松本剛と、中堅の淺間を入れ替えた。松本剛の方が中堅を守る機会が多く“視野“に慣れているとの見立てだった。決勝打となった中村奨の二塁打は、この2人のど真ん中を抜けた。「それは結果論。（あの当たりは）俺ぐらいしか取れないでしょ」。

　目の前まで来ていた今季2度目の4連勝を、失ったダメージは大きい。5位ロッテとの差は2.5ゲームに縮んだはずが、4.5へと開いた。「逆転されて、また成長していくしかない。明日は何とかロッテの勢いを止める試合をしていかないといけない」。監督としてグラウンドに戻ってきた名手・ビッグボスの“こだわり”を具現化するのは選手たち。練習で体に染み込ませるしかない。