専門家が占う今季の新人王争い 「印象度は断トツ」と高く評価した選手は?
メッツ守護神ディアスは「大勢によく似ている」
ペナントレースは間もなくちょうど半分の“折り返し地点”を迎える。セ・パ両リーグの新人王争いの現状を、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏とともに診断する。(各選手の成績は21日現在)
セ・リーグでは、巨人のドラフト1位・大勢投手がピカイチの存在感を放っている。NPB史上で初めてプロ初登板から7試合連続セーブを達成し、ヤクルトのマクガフと並ぶリーグ最多の21セーブ。防御率2.81をマークしている。サイドスローとスリークォーターの中間の位置から、最速159キロの速球を投げ込む独特のスタイル。野口氏は「NPBには似たタイプの投手が見当たらないだけに、相手打者は対応に苦労している」と指摘する。「メッツの(エドウィン・)ディアスが同じような腕の位置から102マイル(164キロ)を出す姿を見た時、大勢によく似ていると思いました」とメジャーを代表するクローザーになぞらえた。
新人王資格はルーキーだけでなく、最初の支配下登録から5年以内で、前年まで打者なら通算60打席以内、投手なら投球回30イニング以内の選手に与えられる。
セの先発投手では3年目の阪神・西純矢投手が3勝2敗、防御率3.38。2年目の中日・高橋宏斗投手も2勝3敗、3.63で先発ローテに定着している。中継ぎでは4年目の阪神・湯浅京己投手が25試合で0勝2敗、リーグ1位タイの17ホールド、防御率1.93と出色の働き。2年目のヤクルト・木澤尚文投手は21試合4勝1敗2ホールド、防御率1.76をマークしている。
打者では、3年目のヤクルト・長岡秀樹内野手がショートのレギュラーの座をつかみ、両リーグの新人王有資格者で唯一人、規定打席をクリア。打率.252、2本塁打27打点の数字以上に、セ・リーグ首位を独走しているチームで全66試合にフル出場している価値は高い。