達成者は涌井秀章らわずか3人 パ・リーグ一筋で全12球団から白星を挙げた投手たち

楽天・岸孝之【写真:荒川祐史】
楽天・岸孝之【写真:荒川祐史】

岸は苦手の広島から初勝利で達成、美馬&増井は“あと1球団”

○岸孝之(西武→楽天)

 名取北高校から東北学院大学を経て、2006年の大学生・社会人ドラフト希望枠で西武に入団。ルーキーイヤーの07年に11勝を挙げると、08年には12勝を記録。日本シリーズでは14回2/3を無失点の活躍でシリーズMVPを受賞した。その後も活躍を続け14年までの8年間で7度の2桁勝利。14年には自身初タイトルとなる最高勝率を受賞した。16年オフにFA権を行使して楽天に移籍。18年には11勝を挙げて最優秀防御率のタイトルを手にした。その後は故障の影響で登板数を減らしたが、21年は3年ぶりに規定投球回に到達。今季はここまで5勝をマークしている。

 岸は21年終了時点で広島を除く11球団から勝利を記録していた。ただ、広島戦は21年終了時点で11登板、0勝8敗と大の苦手だった。しかし、6月9日の試合で7回無失点と好投し、12試合目にしてついに初勝利を記録。史上3人目となるパ・リーグ球団所属のみでの全12球団勝利を達成した。

 あと1球団でこの記録に手が届く投手が、現在のパ・リーグには2人いる。ロッテの美馬学投手は今年の交流戦終了時点で巨人を除く11球団から勝利を記録している。美馬は楽天時代の13年日本シリーズで巨人と対戦し、2勝を挙げてシリーズMVPに輝いている。交流戦でも巨人から白星を記録し、また一つ新たな勲章を手にしたいところだ。

 オリックスの増井浩俊投手もヤクルトを除く11球団から勝利を挙げている。また、史上5人しか達成者がおらずパ・リーグ球団のみでの達成は史上唯一となる「全12球団セーブ」も達成している。「全12球団ホールド」も既に記録しているため、残すは「全12球団勝利」のみとなっている。21、22年と2年続けて交流戦のヤクルト戦で先発したが白星は得られなかった。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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