DeNAは佐藤輝明に打たれすぎ? 三浦監督が「一番避けなければ」と語る展開
7回にエスコバーが同点14号ソロを被弾
■DeNA 6ー5 阪神(30日・横浜)
DeNAは6月30日、本拠地・横浜スタジアムで行われた阪神戦で6-5の9回逆転サヨナラ勝ちを収め、3連戦3連勝。その阪神を抜き、リーグ4位に浮上した。虎との今季対戦成績も8勝5敗と白星が先行しているが、手放しでは喜べない数字もある。相手の4番・佐藤輝明内野手にハマスタで、まさに“我が物顔”で打ちまくられているのだ。
力と力の勝負に、火花が散った。DeNAは1点リードの7回、最速163キロ左腕のエドウィン・エスコバー投手がマウンドに上がり、簡単に2死を奪った後、佐藤輝と対峙した。カウント0-1からの2球目、内角高めの154キロ速球をジャストミートされた次の瞬間、弾丸ライナーが右翼席中段に突き刺さった。痛恨の同点14号ソロ。エスコバーはあっけにとられるしかなかった。
佐藤輝には5回1死一、三塁でも中犠飛を献上。ハマスタでの佐藤輝と言えば、昨年4月9日、右中間の場外へ消えた特大弾が衝撃的だったが、今季も打率.429(28打数12安打)、4本塁打と大の得意にされている。サトテルとしては、33試合も行っている本拠地・甲子園での3本塁打より、8試合のハマスタでの本数の方が多いのだから、フィールドが狭く本塁打が出やすいとはいえ、ベイスターズとしては打たれ過ぎだろう。甲子園での試合を含めると、サトテルは今季DeNA戦13試合で打率.327、5本塁打12打点。セ5球団中、断トツで気前のいい“お得意様”となっている。
しかし、DeNA・三浦大輔監督は「勝つためにやっているので、1人の打者ではなく、打線としてどう抑えていくかを考えている」と言う。「確かに今日は打たれたが、それもソロ本塁打で1点。もちろんポイントゲッターは警戒しているが、一番避けなければならないのは、ランナーをためて打たれることなので」と説明。「この3連戦で、ウチの投手陣は相手のクリーンアップをよく攻めたと思います」と称賛した。
確かにこの日、先発投手の左腕・東は初回に1番・中野、2番・島田から連打され、いきなり無死一、二塁のピンチを背負ったが、近本を一邪飛。佐藤輝には外角のカットボールを打たせて、三邪飛に仕留めた。続く大山も空振り三振させ、初回の失点を避けたことが、最終的に勝利につながった。この3連戦で佐藤輝には毎試合、安打と打点を許したが、本塁打はこの日のソロ1本。もし走者のいるケースで1発を食らっていれば、3連戦の流れ自体が変わっていたかもしれない。
1週間ぶりに4位に浮上し、Aクラスの3位・広島にも1.5ゲーム差に迫ったが、三浦監督は「まだまだ“借金”(今季32勝38敗)がある。まずはこれを返していかないと」と表情を引き締めた。次回対戦では、サトテルと猛虎打線にどう立ち向かうだろうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)