「チャンス回ってきた」 支配下登録から13日目の1軍昇格、DeNA石川達也が歩んだ紆余曲折

三浦監督「活躍を期待しているし、それだけのポテンシャルを持っている」

 しかし、朗報はなかなか届かず。6月23日にようやく支配下登録を勝ち取り、背番号も101から2桁の95に変更。それから13日目に初の1軍昇格となった。

 三浦監督は「ファームで投げている映像は見ていましたし、支配下登録されてから、ちょこちょこ打たれたのも見ていますよ」といたずらっぽく笑う。確かに、支配下登録された時点ではイースタン・リーグで今季14試合1勝0敗2セーブ、防御率0.42と抜群の数字だったが、その後の4試合で4回1/3、3失点。防御率1.40と1点近く悪化していた。直近登板の3日のイースタン・リーグ、ロッテ戦(横須賀)でも、延長10回に登板し、四球をきっかけにピンチを背負い、犠飛で決勝点を許して今季初黒星を喫していた。

 それでも三浦監督は「1軍のマウンドに上がった時にどんなボールを投げるのかという、楽しみの方が大きいです。活躍を期待していますし、それだけのポテンシャルを持っていると思う」と目を細める。チェンジアップ、カーブなどの変化球のキレもさることながら、140キロ台中盤のストレートで相手打者の内角をグイグイ突く投げっぷりの良さが、いかにも“ハマの番長”こと三浦監督好みだ。

 DeNAのリリーフ陣は5日現在、伊勢がリーグ最多の37試合、エスコバーが同2位の36試合、田中健も同4位タイの32試合に登板し、負担が大きい。石川にはその救援陣の一角としての役割が求められている。「育成で入って、支配下になるまでにも大変な努力をしてきたと思う。投げたくてウズウズしているだろうから、出番が来たら、プロ初登板で思い切って今までやってきたことを発揮してほしい」と語る三浦監督の熱い視線を受け、石川が生き残りをかけて1軍のマウンドに上がる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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