9年間犠打なしも…大田泰示がバント練習に手を抜かないワケ「1打席でも多く」

お立ち台で「試合に出られるように頑張ります」

 日本ハム時代の2019年、チーム143試合中120試合に「2番」で出場し、キャリアハイの打率.289、20本塁打77打点をマークしている。“送りバントをしない2番打者”だったのも今と同じ。大田は巨人時代の2013年を最後に、足掛け9年間犠打を記録していない。

 三浦監督からも「泰示らしくやってくれ」と言われているが、大田自身は試合前練習では、バント練習を真剣に行っている。「セ・リーグの場合は投手に代打が送られるケースもあって、いろいろな場面で出番がありうる。1打席でも多く使ってもらうために、自分のスキルの1つとして準備してます。後ろの打者につなげてほしい場面も必ずあるだろうし、セーフティバントというアイデアもありうる」と考えているからだ。

 また、お立ち台で翌7日の同カードへの意気込みを聞かれると、「試合に出られるように頑張ります」と控えめに答えた。右太もも裏を痛めて5月9日に抹消され、6月3日に1軍復帰。同30日の阪神戦で9回に起死回生の同点打を放ち、今季初のお立ち台に上がったのを皮切りに、3試合連続でスタメン出場し、その全試合でヒットを記録した。ところが今月3日のヤクルト戦では、一転欠場。三浦監督は「常に全力プレーをしてくれていますから、泰示のコンディショニングを含め、他の選手との兼ね合いも考えてスタメンを決めています」と説明。右太もも裏の状態など体調面にも気を遣ったようだが、大田本人は「全然問題ありません」と首を横に振ってアピールする。

 DeNAの外野陣では、右肘のクリーニング手術を受けて開幕から戦列を離れているオースティンが、すでにDHとして2軍で実戦復帰している。今後守備をこなせるようになって1軍に戻ってくれば、大田の出場機会が脅かされるのは明らか。休んでいるわけにはいかないのだ。

 ヒーローインタビューの最後を、6月30日に続いて「ヨコハマ、サイコー!」の絶叫で締めくくった大田。「また言えるように頑張ります」と意欲をたぎらせる。今後決めゼリフとしてファンに認知されるとすれば、その時には自ずから不動のレギュラーとなっているに違いない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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