引退後の“株で大失敗”で再確認 五十嵐亮太氏と元世界王者に共通した「学び」
五十嵐「少し色気を出して3球三振を狙いにいくと、だいたい結果は良くない(笑)」
――お2人がそれぞれ競技から得た学びについて教えてください。
五十嵐:僕はプロで23年やって、本当に日々同じ感じで進んでいった。その中でやはり小さいことの積み重ねは大事だなと。結果を出すために、何か派手なことをやって一気に上った階段はなかったと思います。野球を辞めた後も地道に少しずつっていう姿勢は崩したらいけない。新しい目標を見つけた時は、基本から1つ1つクリアしていかないと。
内山:本当にその通りですね。
五十嵐:当たり前のことだけど、それを知らないと失敗する。って言いながら、この前、株で思いきり失敗しました(笑)。その経験もあるから、一歩一歩地道に謙虚に進んでいく姿勢はとても大事だなと思いますね。失敗して、改めて痛感しました。
内山:僕も2年前に株で大失敗しました(笑)。素人はちゃんと少額から勉強しないといけないと思いました。
五十嵐:僕たち、現役時代に学んだことを忘れちゃいけないんですよ(笑)。
内山:そうそう、忘れちゃいけない。仕事でも何でも同じ。得意分野じゃないところで一発で決めようとしてもダメ。積み重ねないと。
五十嵐:ピッチングでも少し色気を出して3球三振を狙いにいくと、だいたい結果は良くない(笑)。ボクシングもそうじゃないですか? かっこよく華やかにいこうとしてもダメですよね。
内山;一発で倒そうとしてもパンチは当たりませんよ。ジャブから組み立てていかないと。ボクシングで苦労して学んだはずなのに、忘れちゃって(笑)。
五十嵐:お互い忘れないように(笑)。
内山:僕は世界チャンピオンになったからかもしれないですけど、人との出会いがすごく増えました。ボクシングを通じていろいろな人と出会えたことに感謝しています。
五十嵐:ボクサーで影響を受けた先輩はいますか?
内山:ボクシングであれば、最初に興味を持たせてくれた辰吉(丈一郎)さんだったり、マイク・タイソンやナジーム・ハメド、マニー・パッキャオはカッコいいと思って、動画でよく見ていましたね。
五十嵐:僕は一緒にやっていたチームメートに、体の使い方や考え方など色々な影響を受けました。監督やコーチも含め、いろいろな話を聞いて吸収したいと思っている中で、野球人としても人としても素敵な人にたくさん出会いましたね。ご縁に恵まれたというか。
内山:今回の対談もいいご縁にしましょう。
五十嵐:ぜひ!
(佐藤直子 / Naoko Sato)