くすぶっていた丸佳浩“覚醒”の契機 イチロー恩師と築いた5年目の打撃開眼

2013年は1997年以来のAクラス入り、翌14年も2年連続でリーグ3位

 丸の他にも、2年目の菊池涼介が二塁のレギュラーに定着。141試合に出場して打率.247、11本塁打57打点、リーグトップの50犠打をマーク。生きのいい若手がチームの中心選手に成長していくと、チームは69勝72敗3分で1997年以来のAクラス入りを果たした。クライマックスシリーズではファーストステージで阪神を2勝0敗で破ったが、ファイナルステージでは0勝4敗で巨人に敗れて日本シリーズ進出はならなかった。

 翌2014年は「タナキクマル」の一角を担う田中広輔が加入するなど、若手たちがさらに躍動して再びリーグ3位で2年連続のAクラス入りを果たす。田中については「入団決定後に社会人時代の映像を見ていた。インコースのストライク、ボールの見極めができていなかった。それをより、スクエアな構えにしてボールを見やすくする打撃フォームにキャンプの初日に変更させた」と、右足がクローズしていた打撃フォームをオープン気味に変化させ、内角に対応できるように修正させた。

 当時の野村謙二郎監督から指導は一任されており「ありがたかった。オリックス時代の仰木監督のように『お前に任せた』に近い形でやらせて頂いた。打撃の注文もなく、試合のオーダーも相談しながら共に戦う形でした」と感謝する。そんな中、野村監督が新井氏に打撃指導を任せなかった選手が1人いた。2009年のドラフト会議で2位指名を受け、入団した堂林翔太内野手だった。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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