くすぶっていた丸佳浩“覚醒”の契機 イチロー恩師と築いた5年目の打撃開眼

元広島・現巨人の丸佳浩【写真:荒川祐史】
元広島・現巨人の丸佳浩【写真:荒川祐史】

高卒5年目のシーズンを終えた丸佳浩、打撃フォームを改造

 2016年から2018年にかけて、リーグ3連覇を果たした広島。その“土台作り”をサポートしたのが、イチローの恩師としても知られ、2013年から打撃コーチを務めた新井宏昌氏だった。縁もゆかりもなかったセ・リーグの地で、くすぶっていた若手を鍛え上げてその礎を築いた。本人の証言をもとに振り返っていく連載の第16回は「丸佳浩の覚醒」。

 2012年の秋季キャンプから打撃コーチとしての指導が始まった。広島の若手はオリックス2軍監督を務めていた頃から「面白い選手が多かった。自分なら『こんな感じで教えるだろうな』と思っていたので、戸惑いなく入ることができた」と新井氏は振り返る。

 その中でも注目したのが高卒5年目のシーズンを終えた丸だった。2010年に1軍デビューを果たし、2011年は131試合に出場してレギュラーを獲得。同年も106試合に出場していたが、打率.247、4本塁打22打点、14盗塁と、まだ“本物”になりきれていなかった。

 新井氏は長打もあり、強肩、俊足と3拍子揃った丸に対し「まだ若手でくすぶっていた。強い打球を打てる力もあり、ハマれば飛ぶが、安定感がなかった。3割打者に仕上げるのが自分の仕事だと」。高いポテンシャルを誇りながらも、それをグラウンドで全て発揮できていないと感じていた。

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