3年ぶり復活した音色に「心が高鳴った」 本塁打を呼んだスタンド“応援”が持つ意味

スタンド応援含めての高校野球を実感できる夏

「戸塚高校さんの応援がすごくて、守っているときのドキドキ感が最高でした。多くのお客さんの中でプレーができて、お客さんは『どっちが逆転するんだろう』と思いながら、どっちの味方にもなってくれる。お客さんの拍手を力に換えることができました」(青柳)

 3番手として、終盤3イニングを無失点に抑えた田宮勇吹投手は、満面の笑みで答えてくれた。

「9回、戸塚高校さんの応援が本当にすごくて押されたんですけど、川和のスタンドから拍手があって、ベンチのみんなも声をかけてくれて。もう、こんな応援の前で試合ができるのは、人生で1回しかないなって。笑いながら、思い切って、楽しく投げられました!」

 第1試合で、鎌倉学園に食らいついた横須賀の石井洋監督は、応援のありがたさをしみじみと語った。30年近い指導歴を持つベテラン監督だ。

「これが、夏の高校野球だったよなぁと、今日は心から思いました。お客さんがいっぱい入ってくれて、ブラスバンドの応援があって。あの雰囲気、本当に久しぶりでした」

 スタンドの応援も含めての高校野球。神奈川の夏が戻ってきた。

○著者プロフィール
大利実(おおとし・みのる)1977年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、スポーツライターの事務所を経て、フリーライターに。中学・高校野球を中心にしたアマチュア野球の取材が主。著書に『高校野球継投論』(竹書房)、企画・構成に『コントロールの極意』(吉見一起著/竹書房)、『導く力-自走する集団作り-』(高松商・長尾健司著/竹書房)など。

(大利実 / Minoru Ohtoshi)

○著者プロフィール
大利実(おおとし・みのる)1977年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、スポーツライターの事務所を経て、フリーライターに。中学・高校野球を中心にしたアマチュア野球の取材が主。著書に『高校野球継投論』(竹書房)、企画・構成に『コントロールの極意』(吉見一起著/竹書房)、『導く力-自走する集団作り-』(高松商・長尾健司著/竹書房)など。

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