鷹・リチャードの魅力と課題…待望の1号も藤本監督があえて“苦言”を呈したワケ

小久保2軍監督も指摘「こう投げたら三振するなって手に取るように分かる」

 一発出れば、逆転サヨナラだった9回1死一、二塁でも、初球のフォークに空振り。2球目の真っ直ぐをファウルにして追い込まれると、3球目のフォークで空振り三振。「何でもかんでも決めて振りにいってるだけにしか見えないっていうところが、もっともっと勉強しないといけないかなって」と藤本監督が苦言を呈すのは、こういった対応の拙さがある。

 リチャードにとって、打席でのアプローチは1軍定着、レギュラー奪取に向けて大きな課題だ。2軍でプレーしている時でも小久保裕紀2軍監督から「こう投げて、こう投げて、こう投げたら三振するなっていうのが手に取るように分かる」と評されていた。打席での狙いが見えなかったり、というのがその原因として挙げられていた。

 確かに苦戦する打線の中で一発を放ち、結果を出したことは評価されるべきところ。ただ、あの場面で許したソロは、オリックスバッテリーにとってはさほど痛くはないはず。その後の2打席の攻め方からも、攻めあぐねている様子は見えなかった。

 リチャードが底知れないポテンシャルを秘めていることは間違いない。藤本監督、小久保2軍監督の“厳しさ”も、全ては期待への裏返しだ。誰もを魅了できる素質。それを生かすも殺すも、打席での考え方やアプローチの仕方で成長する必要があるということだろう。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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