進化する“海魔神”西武・平良 明かした最速160キロの秘訣は「速く動くこと」
佐々木朗希に「どうすれば球が速くなるんですか、と質問してみたい」
平良のような右投手のチェンジアップは、シュート気味になるとことが多く、体に近づいて来る形になる右打者にはとらえられやすいと言われる。それにしても、抜群の球速を誇るストレートに頼り切ることなく、毎年研究と変化を重ねているところには頭が下がる。
オールスターでは「佐々木朗希投手に、どうすれば球が速くなるんですか、と質問してみたいです」とおどける。最速164キロの佐々木朗のストレートは、平均球速でも平良と比べると4、5キロ増しとあって「僕がしょぼく見えちゃう」と苦笑い。とはいえ、無闇に対抗意識を燃やしているわけではない。
会見で「逆に佐々木朗から、『平良さんこそ、どうやったらそんなに速い球を投げられるのですか』と質問されたら?」と聞かれると、「そういう質問はないと思います」と言いつつ、「僕は身長が低いので、速く動くことを意識しています、と言おうと思います」と開陳した。
確かに身長190センチ、体重85キロの佐々木朗と、173センチ、100キロで重心の低い平良とでは条件が異なる。「ゆっくり足を上げ、力をためてから、ゆっくり重心を前に移していく人もいますが、僕の場合は速く動きたくて、クイックモーションで投げたりしています。その方がうまくいく」と説明する。
単純に速いだけではない。自分の特徴を正確に把握し、着実に投球の引き出しを増やし、幅を広げている。そんな海魔神と“令和の怪物”の競演はますます楽しみになる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)