広島の最重要課題だった堂林翔太の一本立ち 名打撃コーチが“指導できなかった”理由

2014年は2年連続でAクラス入りも野村監督が退任

 だが、堂林は2013年に105試合、2014年は93試合、2015年は33試合と出場機会を減らしていった。三塁守備では大事な場面での失策も多く、それが影響したのか打撃も好不調の波を改善することはできなかった。野村監督の思い描いた選手像には届かなかったものの、今でもファンから根強い人気があるのは確かだ。

 2014年は74勝68敗と勝ち越し、2年連続でAクラス入り(3位)を果たしたが、この年限りで野村監督が退任。同年は丸が打率.310、19本塁打67打点、26盗塁。菊池涼は打率.325、11本塁打58打点、23盗塁。ルーキーの田中広が打率.292、9本塁打34打点と、新井氏の指導を受けた選手たちが大活躍したシーズンでもあった。

 球団としてもセ・リーグで戦える選手層が徐々にそろい、リーグ優勝への機運が高まっていた。そして、2015年は緒方孝市監督が就任。新たな指揮官の元、新井氏も死力を尽くしたが、この年限りでカープを去ることになるのであった。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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