都市対抗3冠王は天真爛漫19歳 元ヤクルト度会Jr.が見せた“スターの資質”

3ランを放ったENEOS・度会隆輝【写真:荒川祐史】
3ランを放ったENEOS・度会隆輝【写真:荒川祐史】

5試合で4本塁打、打率.429、橋戸賞と若獅子賞の同時受賞は史上3人目、野手では初

 高卒2年目の19歳、ENEOS・度会隆輝(わたらい・りゅうき)外野手が、とんでもない活躍をやってのけた。東京ドームで開催された「第93回都市対抗野球大会」で、MVPに当たる「橋戸賞」、新人王に相当する「若獅子賞」、大会中最も印象的なバッティングを披露した選手に贈られる「打撃賞」の3冠に輝いたのだ。戦前から続く都市対抗で、橋戸賞と若獅子賞の同時受賞は、1975年の電電関東・丹利男投手、1990年のヤマハ・吉田篤史投手に次いで史上3人目。野手では初の快挙だ。

 29日に行われた、昨年度王者・東京ガスとの決勝戦。0-4とリードされた6回、度会は今秋ドラフト上位候補の最速153キロ右腕、益田武尚投手から、右翼席へ起死回生の3ランを放り込んだ。丸山壮史外野手が同点ソロ、小豆澤誠内野手も勝ち越しソロで続き、1イニング3本塁打で大逆転。チームは通算12度目の優勝を果たした。選手、監督時代を合わせて自身6度目の都市対抗制覇となった大久保秀昭監督は「度会のあの一発がめちゃくちゃ大きかった。この大会は、彼の長打にチームが勝たせてもらう展開が多かった。ただただ感心しています」と驚くしかない。

 度会本人のキャラクターは、天真爛漫で非常に明るい。試合後のお立ち台では「やってやるって決めてました!」「最高でぇぇぇす!」と絶叫。その後、報道陣の前では我に返り「優勝できたことが嬉しすぎて、夢のようで、心の中の気持ちが爆発してしまいました」としきりに照れた。

「僕以上にお父さん、お母さん、おばあちゃんが飛び跳ねている」

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