エース番号は1つでも「2人に充実の日々を…」 二松学舎大付監督の“複雑な親心”

甲子園出場を決めた二松学舎大付ナイン【写真:小林靖】
甲子園出場を決めた二松学舎大付ナイン【写真:小林靖】

疲労骨折、1年間のリハビリ乗り越えたエースが奮闘

“ライバル伝説”は、まだ終わらない。第104回全国高校野球選手権の東東京大会は30日、神宮球場で決勝が行われ、二松学舎大付が5-1で日体大荏原を下し、昨夏から3季連続となる甲子園出場を決めた。エース左腕・辻大雅投手(3年)が7回途中まで1失点に抑え、右腕の重川創思投手(2年)につなぐリレーが決まった。

 エースの辻は打っても、2-0とリードして迎えた6回1死二、三塁で左打席から逆方向の左中間を破る2点適時二塁打。勝利をぐっと引き寄せた。市原勝人監督は「あの辻のヒットが大きかった。あのまま追加点を取れずに終盤まで行ったら、厳しいと思っていました。打撃は得意でないのに、よく打ってくれました」と目を丸くした。

 投げては6回まで快調に無失点。5点リードの7回、先頭打者に二塁打、次打者に適時打を浴び、84球で1学年下の重川にマウンドを譲った。「体力の限界でした」と率直に認める。というのも、辻は1年生の冬に左肘を疲労骨折し、約1年間を棒に振った。市原監督は「3年分の積み重ねがなく、完投できる練習をさせてあげられなかった。そんな中で、よく頑張ってエースの責任を果たしてくれました」とねぎらった。

 辻のリハビリ中、チームで台頭したのは、同学年で同じ左腕の布施東海投手(3年)だった。昨秋の都大会、今春の選抜、今春の都大会でエースナンバーを背負った。一方、辻は選抜でようやく背番号11をもらい、初めてベンチ入り。チームは初戦の福島・聖光学院戦で3-9と完敗したが、その中で2/3回を投げて2失点というささやかな記録が残った。

市原監督「本当は両方に充実した日々を過ごしてほしい」

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