117発主力の放出に同僚「最悪だ」　躍進する弱小球団の“諦めモード”に現場は憤慨

マンシーニが三角トレードでアストロズへ移籍

　オリオールズのトレイ・マンシーニ内野手は、1日（日本時間2日）に、トレードによりアストロズに移籍することが決まった。2013年にMLBドラフト8巡目（全体249位）でオリオールズから指名され、19年には35本塁打。20年には結腸がんを克服し、カムバック賞を受賞。過去5年で地区最下位4度と低迷するチームを主軸として支えた男の放出に、現場からは悲しむ声が上がっている。

　オリオールズの地方紙「ボルティモア・サン」は、「トレイ・マンシーニをトレードしたことに多くの人はかなり憤慨している」との見出しで、現場の声を伝えた。ブランドン・ハイド監督は、「トレイは、我々の人生に欠かせない存在だった。ボルティモアにとって、この地域にとって、彼は非常に大きな存在だ。彼のような人物が去るのを見るのはつらいこと。別れ難いよ」と悲しんだ。

　ライアン・マウントキャッスル内野手は「最悪だよ。彼は、僕が会ったなかで、最も素晴らしい人間だ。がいなくなることはきつい。みんな、かなり動揺しているよ」とコメント。アドリー・ラッチマン捕手は「彼は本当に影響力のある人間だ。一緒にプレーし、彼から学ぶことができて本当に光栄だ」と別れを惜しんだ。

　2日（同3日）の試合を終え、オリオールズは勝率が5割を超え、ア・リーグ東地区4位。3枠まで与えられるア・リーグのワイルドカード争いでも5位に付けている。そんな中、主力を放出して“売り手”となったことに米メディア「CBSスポーツ」も、「積極的に買い物をするのは酷い考えになるだろうが、売り手に回るだと？」と疑問を投げかけている。例年に比べれば“健闘”しているとも言える中、チームの中心的存在がいなくなってしまったことに、現場はショックだったようだ。