18歳が球宴で「バットを振れるのがすごい」 専門家も舌巻く強心臓、ロッテ松川の課題は?
課題は「緩急の使い方とか、どういう風に使い分けていくか」
今季ノーヒットノーランを達成したオリックス・山本由伸、ソフトバンク・東浜巨とも1イニングずつバッテリーを組んだ。「本当にいい経験をしたと思います。特に山本は日本のエース。本来異なるチームなのに、ボールを受けられるなんてなかなかないこと。打席で対戦するのとキャッチャーで受けるのでは違う。それが、後半戦に生きてくる可能性はあります」。中尾氏は夢舞台が貴重な勉強の場にもなったと見る。
中尾氏にとっても球宴は意義深い。プロ2年目の1982年第1戦で初出場。試合後、当時の阪神のリリーフエース・山本和行から「真っ直ぐと変化球の使い方、コンビネーションがすごく良かったよ。やっぱりお前、いいリードするわ」と褒められた言葉を今でもはっきり覚えている。自信をつかんだ中尾捕手に導かれた中日は、その年にリーグ優勝を果たしている。
中尾氏は松川のキャッチングは上手く、肩の強さも十分と評価する。今後は佐々木朗以外の投手が投げた時のリードに注目する。佐々木朗は圧倒的な能力でストレートのみならず、変化球も速い。どんどんストライクを先行させる投球スタイルだ。常時出場するには様々なタイプの投手を引っ張っていく必要がある。「緩急の使い方などストライク、ボールになる球をどういう風に使い分けていくか」を課題に挙げる。
相手の特徴把握も大事になる。「プロは、ほとんど同じメンバーが出てくる。場面、場面によっての打者の考え方、仕草だとかを見極められるように」。そうなれば相手打者との駆け引きもできるようになると指摘する。松川のプロ野球人生はまだ始まったばかり。中尾氏は「今のままということはありません。必ず良くなる。楽しみです」と成長を願っている。
(Full-Count編集部)