強力投手陣で上位浮上の阪神…さらに上行く中日右腕 セイバー目線のセ月間MVP

ヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】
ヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】

村上宗隆は打撃4部門でリーグトップの安定ぶり

 さらに、セイバーメトリクスの指標による7月の月間MVP選出を試みる。打者部門の評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合より、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。各チームの「wRAA」上位2名は以下の通り。

○ヤクルト 村上宗隆12.37、サンタナ3.83
○阪神 近本光司5.38、大山悠輔3.89
○DeNA 佐野恵太8.58、ソト4.02
○広島 マクブルーム8.26、秋山翔吾4.15
○巨人 中田翔7.26、坂本勇人3.43
○中日 岡林勇希5.88、ビシエド4.85

 7月8日に日本球界に復帰した広島の秋山翔吾が、16試合で59打数17安打、OPS.868と早速安定の活躍を見せ、チーム貢献度でも2番目の数値を記録したのはさすがである。

 月間MVPの選定については、6月に記録した異次元の数値には及ばないものの、7月もOPS1.213とリーグトップとなったヤクルトの村上宗隆がやはり最有力候補だろう。打率.318こそリーグ8位ではあるが、本塁打8、四球19、出塁率.471、長打率.742はすべてリーグ1位と安定の領域だ。

 実は村上は6月29日に1試合2本塁打を記録して以来、7月8日までの8試合で本塁打0、27打数5安打、打率.185と低迷の時期もあったのだが、7月後半だけで本塁打8。特に7月31日の第3打席から日本記録となる5打席連続本塁打を放つなど、7月前半の苦戦を払拭する活躍を見せた。コロナ禍でチーム運営もままならないヤクルトにおいて孤軍奮闘し、チームを牽引する村上宗隆を7月の月間MVPに推薦する。

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