大谷翔平を圧倒したCY賞左腕 元横浜助っ人との二人三脚で築いた“究極”のフォーム
「投球動作の各フェーズを見直してコンパクトにしました」
修正点で大きなポイントはどこか。水を向けるとレイは絞り込んだ。
「体重移動ですよ。言うならば、プレートを上手く使うという感覚ですかね。軸足の太腿と臀部の筋肉がピンと張るように最後は足を蹴り上げてマウンドの傾斜から前へと降りていく動きを意識しています」
プレートの踏み位置も変えている。一塁側に軸足を置き、着地する踏み込み足のつま先が内側へ向く“インステップ”になった。左打者には体を目がけて投げてくるかのような見え方になり、タイミングが取りづらくなる。大谷は外角へのスライダーに腰が引けたスイングになりレイの術中にはまった。「特別な何か」をしなかったのは、築き上げたフォームがしっかりと機能している証であろう。
レイが続けた。
「Dバックス時代の僕は制球が課題でした。トロントではウォーカー投手コーチと相談をして修正をしたフォームですが、手短に言えば、投球動作の各フェーズ(段階)を見直してコンパクトにしました。きっちりとしたノーワインドアップがその中にあります」