5点差逆転の市船橋「一体となっていた」 亡き同校OB作曲の応援歌“市船ソウル”が後押し

市船橋・森本哲星【写真:宮脇広久】
市船橋・森本哲星【写真:宮脇広久】

一時5点差も8回に追いつき、最終回押し出し死球でサヨナラを決めた

 テンポよく鳴り響くリズムが勝利を呼び寄せた。第104回全国高校野球選手権は8日、甲子園球場で第3日を行い、第4試合では市船橋(千葉)が興南(沖縄)につけられた5点差を追いつき、6-5でサヨナラ勝ちを収めた。甲子園デビューを果たした応援歌「市船soul(ソウル)」がチームに勢いをもたらした。

 3回に5点を先制された市船橋だが、3回途中からリリーフした森本哲星投手(3年)が4回以降無失点の好投を見せると、徐々に興南のエース右腕・生盛亜勇太投手(3年)をとらえ始めた。1点差まで詰め寄り、8回2死一、二塁から森本哲星の左二塁打で同点に追いついた。続く9回は2死満塁から、代打・黒川裕梧(3年)の押し出し死球でサヨナラ勝ち。1997年以来25年ぶりの甲子園白星を挙げた。

 三塁側アルプススタンドでは、5年前に20歳の若さで亡くなった同校の吹奏楽部OB・浅野大義さんが作曲した「市船soul」が奏でられ“聖地デビュー”を果たした。投打で活躍を収めた森本哲星も「選手たち以外も一体となっているのを感じました。後押しされて、聞けて良かったです」と力になったことを明かした。

 同校OBの海上雄大監督も、浅野さんと直接面識はなかったと言うが「市船のひとつのスタイル、応援の大きな力を全国の舞台で披露できたのは、嬉しく思います」と振り返った。2回戦では敦賀気比(福井)と対戦するが、「たくさんこの応援を披露できるように」と誓っていた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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