横浜を最後まで追い詰めた 横浜隼人“主将”が夏の敗戦から踏み出した一歩

神奈川大会5回戦で横浜に敗れ、夏を終えた【写真:大利実】
神奈川大会5回戦で横浜に敗れ、夏を終えた【写真:大利実】

ベンチで差し出された右手と、「頑張れ」の意味とは

 オセアン横浜ヤング時代にベイスターズカップで優勝を遂げるなど、強肩捕手として注目を集めていた前嶋。いくつもの学校から誘いを受ける中で、キャッチャー出身でもある水谷監督の情熱と、全力疾走・全力プレーを実践する横浜隼人の野球にひかれ、入部を決めた。さらには、運命的な縁も感じていた。

「2009年の夏に横浜隼人が初めて甲子園に出場したとき、お父さんと一緒に、神奈川大会の決勝をバックネット裏で見ていたんです。そのとき、球場がものすごく盛り上がっていたことは何となく覚えています。横浜隼人から誘っていただいたときに、縁があるのかなと感じました」

 今度は、自分の手で甲子園に導く。二塁送球は1.9秒台をコンスタントにマークするまでに成長し、ドラフト候補に名を連ねるまでになった。この夏は、ベンチから「チャレンジャー、チャレンジャー!」と声をかけ続け、仲間を鼓舞した。

 敗戦後、前嶋もまた、水谷監督に関する質問が飛ぶと、涙がさらにあふれ出た。

「水谷先生を神奈川の優勝監督にさせてあげたかったんですけど、自分たちの力がなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいです。3年間、ご指導いただいたので、必ず、自分たちが水谷先生に優勝旗を持たせてあげたいと思っていたんですけど……。水谷先生のおかげでここまで成長できたと思っているので、感謝しかありません。振る舞いだったり、人間性だったり、人として成長することを数多く教えていただきました。高校野球を通じて、少しは成長できたと思っています」

 ベンチで差し出された右手は、どんな気持ちで握ったのか。

「『頑張れ』と言葉をかけていただきました。ここで終わりではないので、『次のステージでも頑張れ』という意味だと受け取っています」

キャッチャーミットの刺しゅうに込めた想い

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