イチローの言葉思い出す“お守り”をベンチへ 高松商が全員安打を記録できたワケ

佐久長聖に14-4と大勝した高松商ナイン【写真:共同通信社】
佐久長聖に14-4と大勝した高松商ナイン【写真:共同通信社】

イチロー氏から授かった黒いバットを甲子園のベンチへ

 イチローバットが力を貸した。第104回全国高校野球選手権大会は11日、甲子園球場で第6日を行い、第2試合では高松商(香川)が佐久長聖(長野)に14-4と大勝した。出場した全11選手が安打を記録、計16安打という猛攻を見せられたのはなぜか。長尾健司監督は「お守りをベンチに置いていました」と、特別なバットとともに戦っていたことを明かした。

 第2試合開始前、一塁ベンチへ移動する高松商の選手団を先導する長尾監督は、ノックバットではなく黒いバットを握りしめていた。昨年12月にイチロー氏(現マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)から指導を受けた際に授かった“イチローバット”だ。香川大会中は学校で大切に保管されていたが、大舞台には持参した。

 指揮官は「お守りとして持って来たんです。バットに触れてからネクストへ行っている選手もいましたよ」と試合中の様子を振り返る。プロ注目のスラッガー浅野翔吾外野手(3年)の高校通算65号、66号連発に続き、香川大会では打撃不振に陥っていた4番・山田一成内野手(3年)もチーム3本目の本塁打を左中間へ放り込んだ。「全打席出塁」を目標に掲げる浅野も4打数3安打4打点、2四死球と大活躍し、香川大会以上の存在感だった。

 一方、守備では合計4失策。「守備は全然ダメだったけど、イチローさんに教わったということが選手たちの落ち着きになっていました。攻撃は凄く良かった」と指揮官はここでもお守りの効果を実感している。「もちろん次の試合へも持っていきますよ」と、九州国際大付(福岡)との3回戦へと燃えていた。

イチロー氏の教え「常に全力の中でカタチを作る」を実践

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