父は元中日左腕…夢をかなえた“兄弟登板” 「心動かされた」兄が弟に託す日本一

八戸学院光星・洗平歩人(あらいだい・あると)【写真:共同通信社】
八戸学院光星・洗平歩人(あらいだい・あると)【写真:共同通信社】

八戸学院光星の洗平歩人が9回に好救援、父・竜也氏は元中日投手

 父が3度かなえられなかった甲子園の舞台を、兄弟で踏んだ。第104回全国高校野球選手権は12日、第7日を甲子園球場で行い、第3試合では八戸学院光星(青森)が延長戦で愛工大名電(愛知)に5-6で逆転サヨナラ負け。元中日左腕の洗平竜也(あらいだい・たつや)氏の長男・歩人(あると)投手(3年)は「甲子園の怖さを思い知らされた」と涙を飲んだ。

 ピンチを救ったが、結果にはつながらなかった。八戸学院光星は1-1の5回、先頭の佐藤航太外野手(3年)が左翼へのランニング本塁打で勝ち越しに成功。7回にも3点を奪ったが、その裏一挙4点を失い追いつかれた。

 5-5の同点のまま迎えた9回1死一、二塁。サヨナラのピンチで冨井翼投手(3年)に代わってマウンドに上がった歩人は、4番の山田空暉内野手(3年)を中飛に打ち取り“火消し”に成功。しかし10回、再び登板した冨井が無死二、三塁から、美濃十飛外野手(3年)に中前に運ばれサヨナラ負け。マウンドで両手両膝をついてうなだれた冨井に、この回から三塁を守った歩人はゆっくり近寄った。

「誰も責める人はいないと思うので、『お前を責める奴はいないぞ』と。冨井自身は悔いが残るとは思うが、よく投げてくれた」。最後まで、主将としてチームメートへの気遣いは忘れなかった。

父も八戸学院光星OB、3年連続で青森大会決勝で敗れ涙を飲む

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