武田翔太、大荒れ7四死球でもなぜ続投? ベンチで藤本監督に志願、芽生える責任感
中継ぎ陣の負担増、松本がベンチ外で「休ませたい気持ちあったのでは」
ソフトバンクの台所事情は厳しい。先発陣の早い回での降板もあり、リリーフ陣にはかなり負担がかかっていた。さらに、この日は松本裕樹投手がベンチから外れていた。できることなら、リリーフは温存したいところ。そんな首脳陣の思いを汲んだのか、武田はマウンドに立ち続けることを望んだ。
6回も先頭の西野に死球を与え、大下、伏見を打ち取った。2死一塁となったところでお役御免。左打者の福田に対して、左キラーで相性のいい嘉弥真新也投手をベンチは投入した。「1人出てちょうど福田だったんでね。嘉弥真が相性良かったんで、右のバッターで残ってるのもそこまで嫌なバッターはいなかった」と指揮官。すんなりと継投でき、思惑通りに嘉弥真が福田を打ち取った。
8回に追いつかれたため、2勝目はならなかったが、武田の力投に藤本監督も目を細める。「本人も納得していないでしょうし、不甲斐ないから『130球投げる』って言ってきた。すごく責任感が出てきましたね。前回の不甲斐なさもあったんじゃないですかね。中継ぎをだいぶ使ってるんで、休ませたいというピッチャーとしての気持ちもあったんじゃないかなと思います」。右腕の思いを、こう感じ取っていた。
苦しみながらも、なんとか1失点で勝利への道筋を作った武田。決してその投球内容は褒められたものではないが、この勝利の立役者の1人だったことは間違いない。苦しい台所事情も鑑みての続投志願。武田が果たした仕事は大きい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)