大阪桐蔭を唯一破った前年覇者が初戦敗退 苦しめられた国学院栃木の“4投手継投策”

智弁和歌山・中谷監督「非常に強い。向かってきていると感じた」

 8安打3得点に終わった智弁和歌山が苦しんだのは、国学院栃木の継投策だった。球速100キロ前後を計測する緩いカーブを武器とする変則左腕・中沢康達投手(3年)が先発し2回を2失点。「4番・三塁」で先発した平井悠馬内野手(3年)が3回のマウンドに上がった。

 4回には栃木大会で1試合1イニングしか登板機会がなかった中川真乃介投手(3年)が登板し、2イニングを無失点。6回からはエース右腕の盛永智也投手(3年)がマウンドを任され4イニングを1失点だった。

 終始苦戦を強いられた中谷仁監督は「短いイニングで継投、登板するのは難しいと思うが、それも難なく(こなしていた)。非常に強い。向かってきていると感じた」と振り返る。「6番・投手」で出場し、降板後は右翼の守備に就いた武元は3打数無安打に封じられ「継投でタイプの違う投手が投げてきて対応できなかった」と舌を巻いた。

 一方で、国学院栃木の柄目直人監督は、日大三島(静岡)との1回戦で146球3失点完投した“盛永対策”をとられると予想し、中沢の抜擢に至ったと説明。細かい継投策がはまり優勝候補相手に白星を挙げた。夏は37年ぶり2度目の出場だが、栃木大会準決勝では作新学院の11連覇を阻止。どんな分析と戦略が次戦で見られるか、楽しみだ。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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