アンチ投稿にも「もう1回やってやろう」 甲子園を沸かせた有田工“1球ごとスイッチ”

有田工、異色のスイッチヒッターに多くの反響
有田工、異色のスイッチヒッターに多くの反響

有田工の山口洸は浜田戦の第2打席で“打席内スイッチ”を披露した

“奇策”は海を越えて広がった。右打席に入ったと思ったら左打席、そしてまた右打席……。第104回全国高校野球選手権に出場した有田工(佐賀)の山口洸生内野手(3年)に球場中が注目した。1打席の中で打席を入れ替える異色のスイッチヒッターには大会前から多くの反響が寄せられ「めっちゃバズっとるけん」と本人も驚きを隠せなかったという。

 大会第8日を迎えた13日の第1試合の浜田(島根)戦に「8番・二塁」で出場した山口洸は4回の第2打席で“奇策”を披露した。浜田の先発左腕・波田瑛介投手(2年)に対して初球は右打席に立ち、2球目は左打席へ。バントの構えで揺さぶった後、4球目に再び右打席に戻った。結局フルカウントからの8球目を打って遊ゴロに終わったものの、甲子園が大いに沸いたシーンだった。

 兄の影響で野球を始めた山口洸は元々、右打ち。打撃に苦しんだ昨年秋、足を生かそうと左打ちの練習も始めた。「三遊間に深く打てば左だとセーフになることもある」と練習を重ねるうちに、1球ごとに打席を変えることを考えた。

 この日も「(バントの構えなどで)投手を前に出させてスタミナを削るつもりだった」と打席途中でスイッチした意図を明かした。審判から「1球ごとはやめてくれ。ここは見せる場面じゃない」と制限をかけられたが、それでも「自分らしさは出せたかな」と笑みを浮かべた。

山口洸の父・喜浩さん「2度も甲子園に…感謝しかないです」

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