アンチ投稿にも「もう1回やってやろう」　甲子園を沸かせた有田工“1球ごとスイッチ”

山口洸の父・喜浩さん「2度も甲子園に…感謝しかないです」

　打席内でのスイッチはあくまで「作戦のひとつ」と話す。しかし、佐賀大会で披露すると、MLB公式サイトが動画を引用して紹介するなど、日本だけではなく米国でも話題になった。SNSで動画が拡散されることに、本人も驚きを隠せなかったようだ。この日、一塁側アルプススタンドから声援を送った父・喜浩さんは佐賀大会後の自宅での様子を振り返ってくれた。

「『めっちゃバズっとるけん！』って驚いてました。まあ、私も驚きましたけどね」と笑う。海外でも話題となったことに「そんな凄い選手じゃないですよ」と謙遜するが、それでも「打撃に苦しんだ中で、監督さんが『左でやってみたら』って。本人も考えての結果でしょうね」と話す。

　今春の選抜大会では初戦で国学院久我山（西東京）に2-4で敗れ、この日も、浜田に逆転で3-5で涙を飲んだ。それでも、喜浩さんは「まさか息子に2度も甲子園に連れてきてもらえるとは。感謝しかないです」と嬉しさをにじませた。

　大きな反響の中には批判の声もあった。それでも「アンチコメントを見て『もう1回やってやろう』という気持ちでした」。山口洸は甲子園での“奇策”披露に胸を張った。

（川村虎大 / Kodai Kawamura）