日本ハム同期が明かす大谷翔平の素顔 才能ある努力家は「弟みたいな」クソガキ
野球となると顔が変わる…「いつもウエート場にいるイメージ」
ただ、トレーニングとなれば人の輪から外れ、黙々と前に進むところがあった。うまくなりたいという欲が、他の選手とは段違いだったのだ。「基本的にウエートトレーニング場にいるようなイメージです。夜、ご飯を食べた後なんかにもいるんですよ」。常に違うものを取り入れて、上に行こうとしていた。「一人でやっている時間の方が、はるかに長かった。見えないところで、何をすれば自分は向上するのか考えていましたね」。トレーナーにサプリメントの摂取について尋ね、管理栄養士には何を食べたらいいのか質問攻めにしていたのだという。
「変わり続けていたことがすごいと思うんですよ。常に新しいものに対応して、アジャストしているからあそこまでできるのかなと。もともと才能がある上にここまでやられたら、他の人が追いつけないのも当たり前ですよね」
そしてグラウンドに立てば、身にまとう空気まで違った。「顔がいいんですよね。普段はかわいい顔をしているのに、野球となるとガラッと変わる」。投げる才能に加えて、バッティングをすれば左翼へ、右打者が引っ張ったかのような強烈な打球を飛ばした。さらに「とにかく足が速いのは驚きましたね……。あれだけでかいのに、なかなかいませんよ」。タイムを計れば、チームでも俊足の中島卓也内野手や西川遥輝外野手(現・楽天)級のスピードを誇った。メジャーでも昨季26盗塁を記録した快足は、当時から話題となっていた。
指導者となった新垣さんは、大谷が何をしていたのか、どのような考えを持っていたのかを、東芝の選手たちに伝えることがある。誰がどう見ても、日本一の野球選手。ともに過ごした時間が生きている。
「何をどういう考えでやっていたのか、目の前で見ていたんですからね。最初は『来るな』と思ったけど、今になって思えば『来てくれてありがとう』ですよ。本当に大きな財産です」