日本ハム同期が明かす大谷翔平の素顔 才能ある努力家は「弟みたいな」クソガキ
ふざける新垣さんに「うるさいすよ!」 入院先で見ていたのは…
大谷は高校卒業後、即メジャーリーグに進むと一度は公言している。それを一旦取り下げ、日本ハムでは二刀流という新たな価値を作っていった。いつまでもここにいる選手ではないことは、チームの皆が分かっていた。新垣さんも「いつ行くか、だけだろうと思っていましたね」と振り返る。
真剣な想いに触れたことがある。大谷は2016年のシーズン終盤に右足首痛を発症し、2017年のオフにかかとの手術をした。入院していた大谷を見舞った時だ。「どーもーっ!!」といつもの調子で病室に入っていった新垣さんに、大谷は「うるさいすよ!」と返した。見ていたのは、メジャーリーグのテレビ中継だった。
「バッターもピッチャーも、じっと見ていましたね。いつか、近い将来に対戦するという見方をしていたんだと思います。真剣な表情にこちらがびっくりしましたね」。言葉を交わさなくても、ここを去る時が来たのだと分かった。大谷がポスティングシステムを利用したメジャーリーグ移籍を表明したのは、退院後すぐだった。
交友は今も続く。社会人野球のトヨタ自動車東日本でコーチを務める大谷の兄・龍太さんと練習試合で遭遇し、写真を大谷に送ると反応があった。「カキさん、まじめにコーチしてくださいよ」。遠い世界に行ったように見えても、そこでは“クソガキ”の顔のままだ。
指導者としての目で見れば、今季の投手・大谷は下半身がつぶれず、力を真っすぐ前方に伝えられるようになったという。ストレートで空振りを奪えるのが何よりの証拠だ。「これからもいろんな記録を達成しながら、45~46歳くらいまで現役でやるんじゃないですかね。それでも150キロとか投げそうじゃないですか。年を取ったら取ったで、また違う方法で進化していくと思うんですよ」。出会いからあっという間の10年、そして次の10年で見せてくれる新たな価値を、新垣さんは楽しみにしている。
【PR】MLBの公式戦を毎日生中継!大谷翔平、ジャッジらの豪快ホームランをABEMAでチェック
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)