最下位の名門球団に地元メディア辛辣 “大損”もたらした編成本部長の「独創的補強」
パクストンの獲得でRソックスは「かなりの代償を払うことになった」
レッドソックスは20日(日本時間21日)時点で60勝61敗。ア・リーグ東地区最下位に沈む。ボストンメディアは、ハイム・ブルーム編成本部長による昨年オフの選手の獲得について言及。昨オフに1年600万ドル(約8億2000万円)で契約し、わずか1試合登板で離脱したジェームズ・パクストン投手との契約は「大損」だったとし、他に補強ポイントがあったと指摘している。
33歳の左腕パクストンはマリナーズに在籍していた昨年4月に左肘のトミー・ジョン手術を受けオフにFAとなり、レッドソックスと1年600万ドルで契約。米メディア「NBCスポーツ・ボストン」によると、手術明けで今年8月まで投げられないのは分かっていたため、球団の真の狙いは2023年、2024年の2年間を各1300万ドル(約18億円)の球団オプションで確保することだったようだ。当時は「独創的」とも評価された契約だったが、「今となっては独創的すぎたようで、今季に大きく影響することになった」と記事は伝えた。
今月18日(同19日)にマイナーリーグでのリハビリ登板に臨んだが、打者2人と対しただけで降板。左広背筋の損傷と診断された。ブルーム編成本部長がパクストンに投じた今季年俸600万ドルを今年のチームに生かす方法は「いくつもあった。正右翼手の年俸に回すことも、一塁手や救援投手に使うこともできた。それなのに、未来への賭けとしてパクストンに投じたのだ」と記事は指摘する。
ブルーム氏はレイズ時代に故障が多かったチャーリー・モートン投手と2018年オフに2年3000万ドル(41億円)で契約。モートンは35歳シーズンの翌19年に16勝をあげてサイ・ヤング賞の投票で3位に入り「ブルームは大当たりを引き当てた」と記事は言及。2019年オフにレッドソックスに移ってからも“危険信号”が出ているベテラン投手と短期契約を結ぶというアプローチを続けたが、マイケル・ワカ、リッチ・ヒル、ギャレット・リチャーズ、マーティン・ペレスらの例から分かるように「再び怪我をしたり効果的なピッチングができていなかったりと、効果のほどは疑わしい」と述べている。
パクストンは計9年間のメジャーのキャリアの中で年間30先発に達したシーズンは一度もなく、昨年は1登板(1回1/3)。11月には34歳になる。補強が必要な部分がいくつもあった中で、2022年の資金源を犠牲にする価値がある選手とは「到底思えない」とし、「いくつもの差し迫った問題に対処する代わりに彼と契約したことは明らかに間違いだった」と記事は断じている。さらに、レッドソックスはパクストンとの契約で結果的に年俸総額の上限を超えてしまい「最下位で終わりそうなシーズンだというのに贅沢税を払うことになればなおさらだ」とし、“2023年の大穴(パクストン)”に賭けたことでレッドソックスは今季「かなりの代償を払うことになった」と辛辣に伝えた。
(Full-Count編集部)