2枚看板でも届かない優勝旗 “下関旋風”の指揮官が痛感した「想像を絶する層の厚さ」
仙台育英の先発・斎藤蓉の投球に「これだけ違いが出てくるんだと痛感しました」
仙台育英が決勝戦の先発マウンドに送ったのは背番号「10」の左腕・斎藤蓉投手(3年)。20日・準決勝の聖光学院戦には登板しておらず、この日は中3日での登板。一方で下関国際はエース・古賀、2番手の仲井は20日の準決勝・近江戦から中1日での登板だった。
フレッシュな状態でマウンドに上がった斎藤蓉は今大会最長となる7イニングを投げ3安打1失点の好投。これには坂原監督も「先発の斎藤君は準決勝登板なく決勝戦。初回から生きたボールがドンドンきていた。やはり、連投してない中での決勝戦の登板というのは、これだけ違いが出てくるんだと痛感しました」と、頭を抱えていた。
仙台育英は全5試合で5投手、延べ“16人の継投”で悲願の初優勝を成し遂げた。全員が140キロを超える直球を投げ、どの投手がマウンドに上がっても遜色ない投球を見せていた。下関国際は2枚看板でも届かなかった深紅の優勝旗。質の高い投手をどれだけ揃えることができるか――。高校球界もハイレベルなチーム作りが求められる時代に突入した。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)