なぜエンゼルスを売りたい? オーナーの思惑は…地元紙が挙げた“3つの理由”
エンゼル・スタジアムの買収失敗も影響か
エンゼルスの売却検討という衝撃ニュースが、球界を駆け巡っている。アート・モレノオーナーは「私と家族は今がその時だという結論に達しました」との声明を発表。売却の可能性を含めた戦略的選択肢を審査するためのプロセスを開始した。様々な疑問が浮かぶ中、地元紙「LAタイムズ」は、オーナーの思惑を推察。3つの理由を挙げている。
同紙は、Q&A形式で売却を巡る話題を列挙した記事の中で「アート・モレノはなぜエンゼルスを売りたい?」という疑問を検討。まず指摘したのは、本拠地エンゼル・スタジアムの買収失敗だった。モレノオーナーはアナハイム市から3億2000万ドル(約438億円)で買い取ることに合意していたが、当時の市長が球団側に機密情報を漏らしたとして警察当局の捜査を受けて辞任。買収話も頓挫した。
ただ、同紙は「モレノ氏が球団を売りに出す決断をしたのは、これだけが理由ではない」と指摘。2つ目の理由に挙げたのが“後継ぎ問題”。モレノオーナーは現在76歳と高齢。「チームを引き継ぐ明確な意志を示している家族がいないのだ」と紹介した。
そして、3つ目の理由がやはり“戦力”。チームは2014年を最後にプレーオフに進出できておらず、今季もここまで52勝71敗で地区4位に低迷。もし今季マリナーズがプレーオフに進出すれば、ア・リーグで最も遠ざかっている球団になる。
大谷翔平投手とマイク・トラウト外野手というメジャー屈指のスーパースターがいながら、勝てない現状に加え、近年の大型FAも失敗に終わっていることが多いと同紙は指摘。さらに、傘下マイナーの期待度を示すMLB公式サイトのランキングでは最下位に沈み、未来も展望しづらい。
今季はモレノ氏がオーナーだったこの20年間(短縮シーズンを除く)で、初めて年間の観客動員数が300万人を下回る可能性も叫ばれている。低迷を続けるチームに訪れた岐路は、球界や選手に大きな影響を与えることになる。
(Full-Count編集部)