阪神・藤浪の好投を支える“小さな変化” 専門家が絶賛「自滅する姿が一切ない」
「はっきりしたボールを投げた時にゴメンという素振りをするぐらい余裕があった」
荒れ球で苦しむ姿はなかった。1軍に復帰した8月6日の広島戦から、ここまで4試合に登板し計27回1/3を投げ与えた四死球はわずかに5個。この日も初回のビシエド、3回の大島に四球を与えたが、制球難ではなく攻めていく中での四球だった。4試合連続でクオリティスタートを達成しており安定した投球が光っている。
今シーズンは2年連続で開幕投手を務めたが結果が出ず、一度はリリーフに転向。2軍での調整を経てシーズン終盤に向け復活の兆しを見せている。これまで悩まされてきた、四死球から崩れ痛打を浴びる姿はない。
「悪いときの藤浪は無理をして力で抑えにいくことで力みが生まれ自滅する印象。相手チームも自滅を待って得点していくのが常套手段。それが、この日は、はっきりしたボールを投げた時にゴメンという素振りをするぐらい余裕があった。自信のある表情を見せ、精密機械といってもおかしくない投手の姿だった」
チームの連敗を阻止した背番号「19」が見せた快投。シーズン終盤で熾烈なAクラス争いを続けるチームにとって大きな1勝となった。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)