7回制も完投はなし、近江・山田は投手専念… 侍U-18馬淵監督が描く世界一への道筋
今大会から7イニング制に短縮「後半勝負などと考えていたら、とんでもないことに」
打撃にも定評がある山田を、あえて投手に専念させるのもそのため。山田は今夏の甲子園3回戦・海星戦で満塁弾を放つなど、高校通算30本塁打超の強打者でもあるが、馬淵監督は「打撃練習はやらなくていいと、本人に伝えました。彼には抑え的な仕事をしてもらいたい。DHでの起用も考えていません」と負担を軽減する考え。この大会では木製バットが使用されることもあって、あくまで守りを優先的に固め、少ない得点で競り勝つイメージを描いている。
また、今回から7イニング制に短縮されることもポイントになる。「極端に言えば、3打席立てるのは3番打者までの可能性もある。下位の打者には2打席しか回ってこないかもしれない。後半勝負などと考えていたら、とんでもないことになる気がしている。調子のいい者を順番に並べる形になるかもしれない」と馬淵監督は打順の構想の一端を明かした。
その中で甲子園で3本塁打を放った浅野の打順が注目されるが、指揮官は「ロングを打てるに越したことはないが、彼には脚力もあるので、出塁して後の打者へつなげる活躍をしてほしい」と話しており、高松商と同様に1番を務める可能性が高そうだ。
一方、投手は50球以内であれば毎試合登板することも可能なルールで「選出した7人の投手には『毎日投げるつもりでいてくれ』と伝えてあります。7人で1イニングずつ投げるくらいの気持ちでいてほしい。1人に完投させることは考えていません」とも。あらゆる手段を尽くし、今回こそ世界の頂点に上り詰めてみせる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)