球団殿堂入り式典を生観戦 NPB時代からの仲、桂ヨネスケさんが語る“イチロー愛”
イチロー氏とはオフに必ず食事をする仲
出会いは1995年。イチロー氏がオリックス時代にプロ野球記録を塗り替える200安打到達の偉業を達成した翌年である。以来、オフになると必ず食事をする仲だ。
「パ・リーグの審判員だった知人を介しての出会いでした。天才的な才能はもちろんですが彼の人柄に惚れてしまって。今でも東京で会うときには、わざわざ神戸から車で来てくれます。でもイチローは『師匠がシアトルに来てくれるのと比べたらどうってことないですから』なんて言ってくれてね。粋じゃないですか。うれしいねぇ」
記者とヨネスケさんとの付き合いは20年になるが、イチロー氏とのプライベートな話を口にしたことはない。でもただ一つ、解禁したのがこのエピソードである。
「イチローにもらったバットは今でも宝物にしていますが、おふくろの葬儀では棺に入れてあげようと思っていたんですよ。天国からそのバットと一緒に見守ってほしいと思ってね。でもね、97年にいざその時を迎えたら……。もったいなくてあげられませんでした。お母さん、ご免なさい!」
シアトル滞在最終日となった28日、ヨネスケさんは今年1月に永眠した漫画家の水島新司氏が描いたパンチョ伊東氏七回忌(2008年)の記念グラスにビールを注ぎ、3年ぶりの旅を締めくくった。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)