大谷翔平vsジャッジのMVP争いは? ヤ軍番記者が指摘する二刀流ならではの“障壁”
MLBネットワークのモロシ記者「どちらを選んだとしても間違った答えではない」
■エンゼルス 4ー3 ヤンキース(日本時間30日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、本拠地・ヤンキース戦に「3番・指名打者」で先発出場し、5回に決勝の29号2ランを放った。ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手も両リーグ最速の50号ソロ。リーグMVPを争う両雄がアーチ競演を見せた。この日、現地にいた米メディアはMVP争い第1戦をどう見たのか。
大谷vsジャッジ――。大谷は11勝&29本塁打と投打で結果を出す一方、ジャッジは50号&110打点でリーグ2冠。1961年にロジャー・マリスが記録したリーグ記録61本塁打を塗りかえるペースでアーチをかけている。この日、大谷のヒーローインタビューを担当したMLBネットワークのジョン・モロシ記者は頭を抱えた。
「この後も素晴らしい争いになると思います。2人のスーパースターが異次元のシーズンを送っているところを目撃しています。シーズンが終わった後にどう感じるか……。今年のMVPを決めるのは非常に困難です」
今季の大谷は投手で11勝、防御率2.67、176奪三振と成績を伸ばした。一方、打撃ではリーグ3位の46本塁打を記録した昨季ほどの破壊力はないものの、打率.267、29本塁打、79打点、OPS.882。ここ7試合で打率.308(26打数6安打)、2本塁打、7打点と状態を上げてきているが、打撃成績で圧倒するジャッジを下すのは、とにかく結果を出し続けるしかないようだ。
「彼がやらないといけないのは最高の状態でプレーすること。歴史的で桁外れな活躍をしています。しかし、ジャッジはプレーオフに進出するチームで並外れたプレーをしている。だからこそ、どちらを選んだとしても間違った答えではないのです」
米メディアではジャッジがMVP最有力候補との声が根強い。米スポーツ局ESPNのヤンキース番、マリー・リベラ記者は“大谷ならでは”の障壁を口にした。
「昨年は全てが桁外れに感じました。今年はオオタニにとっては不公平な状況です。二刀流は過去に前例がありません。だから比較できる選手がいないのです」
「オオタニは投打全てでグレートな成績を残さないといけないのです。比較対象がいないというのはそういうこと。全てにおいて素晴らしい成績を残せば、MVPは取れるでしょう」
第1ラウンドはアーチ競演となり、リーグMVP争いは混沌としたままだ。リベラ記者が「ジャッジとオオタニは非常に似ている。個人成績は気にも留めず、チームの勝利だけを考えている」という両雄の直接バトル第2ラウンドにも注目だ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)