大谷翔平と“同じユニホーム”が原動力 創部3年で全国準V・花巻東女子が見せた真髄

創部3年で全国ユース準優勝を果たした花巻東女子硬式野球部【写真:佐々木亨】
創部3年で全国ユース準優勝を果たした花巻東女子硬式野球部【写真:佐々木亨】

第13回全国高等学校女子硬式野球ユース大会は神戸弘陵が2連覇

 創部3年目で初めて辿り着いた全国大会決勝は「完敗だった」。第13回全国高等学校女子硬式野球ユース大会は神戸弘陵に0-5で敗れ、準優勝。花巻東女子硬式野球部を率いる三鬼賢常監督が言葉をつなげる。

「決勝での神戸弘陵さんの左投手は、コースにきっちりと投げ分けるすばらしいピッチングでした。こちらも最後まで食らいついていく姿勢は見せたんですが、なかなかヒットも生まれずに……」5回裏までノーヒット。神戸弘陵の先発左腕・伊藤まこと投手を攻略できなかった。

「白河の関を越えて岩手に優勝旗を持って帰りたいという思いはありましたけど……」

 今夏の甲子園では仙台育英(宮城)が全国制覇を成し遂げ、東北勢悲願の大旗が「白河の関」を越えた。男子に続く快挙を目前に、花巻東の夢は絶たれた。

 それでも、だ。2度目の出場となった全国高等学校女子硬式野球ユース大会での快進撃は、チームの躍進を十分に示すものだった。エース・関口瑞生投手(2年)の粘り強いピッチングが象徴するように、「最後まで諦めない」姿勢、男子硬式野球部の真髄である「逆転の花巻東」の戦いを随所で見せた。

 高知中央戦(1回戦)、神村学園戦(準々決勝)では、ともに延長8回タイブレークの末にサヨナラ勝利。準決勝の岡山学芸館戦では、2点ビハインドの6回裏に同点に追いつき、7回裏に1死満塁から2番・末木希依外野手が押し出し四球を選んでサヨナラ勝利。まさにミラクルの連続で決勝に勝ち上がった。三鬼監督は言うのだ。

「苦しい試合ばかりでしたが、選手たちは最後まで諦めずに戦ってくれました。また、大会を通じて2試合が不戦勝となりましたが、出場辞退を余儀なくされた対戦予定チーム、選手たちの思いも背負って戦いました。決勝に進んだのは、そういう気持ちを背負って戦った結果かもしれません」

自らが書いた『強気』の言葉が記されたボードを持ちながら、声を張り上げる選手の姿も

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