西武ドラ1隅田は「マウンドでの仕草がダメ」 辻監督が求める「大胆」な姿勢
9月1日にはドラ2佐藤が86日ぶり先発
ルーキーイヤーの今季、開幕第2戦のオリックス戦でプロ初登板・初先発・初勝利をマークしたのを皮切りに、6月9日の巨人戦までに11試合に先発したが、黒星が重なったことから2軍落ち。8月16日の1軍再昇格後、ロングリリーフを2試合務め(計6回1/3、2失点)、満を持しての先発復帰だった。これまで毎週水曜に先発していた平井克典投手に代わり、先発ローテに組み込まれた格好だ。
それにしても、なぜこうも白星に恵まれないのだろうか。辻発彦監督はこの日も、期待のドラ1の投球に納得がいかず、何度も首をひねった。マウンド上で自信なさげに見えるようで「性格なのかね。マウンドでの仕草がダメだよ。(初回先頭打者の初球に)真っ直ぐをバンと打たれて、ウっとなってしまったのかもしれないけれど、球自体はいいのだから、もうちょっと大胆にいってくれればいい」と指摘する。「(試合前に隅田本人へ)『一生懸命になり過ぎるな』と伝えた。天敵は“怖さ”だと思う。甘いところに行ったら打たれると思うから、慎重になり過ぎるし、力みも出る。逆に8分の力の方が、スピンの利いた球を投げられる投手なのだけれどね……」と話した。
この日、最速147キロを計測したストレートは、84球中46.4%にあたる39球。スプリット、カットボール、チェンジアップ、カーブ、スライダーを駆使した。多彩な変化球を持つ投手だが、辻監督は以前「相手を押し込めるストレートがあるのだから、それでもっと押していった方がいいと思う」と評したこともある。
合格点とはいかなかったが、辻監督は次回も隅田を先発で起用する意向を明かしている。さらに9月1日の同カードでは、ドラフト2位の佐藤隼輔投手が先発。こちらも6月7日の巨人戦に先発して以来、86日ぶりの1軍登板となる。首位から4位まで4ゲーム差内にひしめく大混戦の先頭に立つ西武は、残り21試合。辻監督は3年ぶりのリーグ優勝を引き寄せるため、“最後の1ピース”を求めているようだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)