球界に“新潮流” 大学・社会人・プロ交流戦「薩摩おいどんカップ」開催の意義

大学、社会人、プロのチームが交流戦を行う「薩摩おいどんカップ」【写真:宮脇広久】
大学、社会人、プロのチームが交流戦を行う「薩摩おいどんカップ」【写真:宮脇広久】

来年2・23~3・12に鹿児島県で実施、NPB球団2・3軍の参加も見込まれる

 大学、社会人、プロのチームが交流戦を行う「薩摩おいどんカップ」が創設され、鹿児島県内で来春に開催される。各カテゴリーが競技人口減少への危機感で一致し、地域密着と野球振興をテーマに実施することになった。同様の試みは北海道で毎年8月、釧路市などで「タンチョウリーグ」が開催され定着しつつある。プロ・アマ交流の一形態として注目される。

 薩摩おいどんカップは来年2月23日から3月12日まで、鹿児島市の平和リース球場など県内4球場で行われる。現時点で慶大、亜大、中大、ENEOS、トヨタ自動車、パナソニック、エイジェックの7チームの参加が決定。8月29日には都内に参加チームの監督が集結し、記者会見が開かれた。さらに参加チームを募っている最中で、亜大・生田勉監督は「現時点で正式な発表は控えますが、NPB球団からも参加する球団があります」と明言。一部NPB球団の2・3軍の参加が見込まれている。

 入場無料で、インターネット中継や、初心者向けの野球教室など普及活動なども行う方針だ。薩摩おいどんカップ実行委員会の小薗健一氏は「最終的に20-30チームの参加を想定しています。大会は来年以降も続けていくので、徐々にその数字に近づけていければ」と構想を描いている。

 生田監督は「なんとか野球人口の減少に歯止めをかけることができないかと、慶大の堀井哲也監督と話す中で、交流戦をやって地方の方々に見ていただく発想が生まれた」と経緯を説明。「学生野球憲章で、大学がプロと試合ができるのは3月と8月の年間2か月のみと決められている。この2か月間はNPBさんとしっかり親交させていただきたい」と述べた。薩摩おいどんカップでプロと大学チームの対戦は、3月に限られることになる。

 一方、8月に北海道の釧路市などで行われている「タンチョウリーグ」は今年で5回目を数える。広島2軍やソフトバンク3軍、亜大などの大学、JR東日本、エイジェックなど社会人の他、駒大苫小牧高校も参加している。

鹿児島県姶良市出身の川崎宗則が大会アンバサダーに就任

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY